“限定” に学ぶ「変え方」のデザイン
普段デザインをする上で、普遍的で耐久性のあるクリエイティブを心がけていますが、一方で「特別」「限定」を求められる場合もあります。
こんな時、「何を維持し、どこに特別感を出すか」はとても重要な選択です。
今回は普段一貫したデザインコンセプトを持つブランドや企業の “限定" を紹介しながら、それぞれのアプローチを検証していきたいと思います。
Leica Safariシリーズ
https://store.leica-camera.jp/products/detail/11028
老舗カメラメーカー、ライカによるオリーブグリーンが特徴のシリーズです。
そのルーツは、1960年に西ドイツ軍向けにつくられたオリーブグリーンの「Leica M1 “Olive”」にあります。その後、1977年に一般向けモデル「Leica R3 “Safari”」が登場し、以来、数度にわたりモデルを変えながら発表されているシリーズです。
「オリーブグリーン」という共通のデザインコードを継承しながら、年代によって塗装方式や素材、周囲の色との組み合わせが異なります。
そのデザインが生まれた意味を残しながら、表現は時代に合わせて更新していく。長い歴史があるメーカーだからこそ打ち出せる試みだと思います。
今後もどのように変化していくのかが楽しみな「限定」です。
Spotify Wrapped
https://newsroom.spotify.com/2025-wrapped/
オーディオストリーミングサービスSpotifyの、その年のリスニング履歴を振り返ることができる企画で、毎年年末に開催されます。
Wrappedのページだけは、毎年異なるコンセプトの装飾的な画面になっており、華やかなデザインが自分の音楽体験の「一年の締めくくり感」を盛り上げてくれます。
ちなみに2025年は「visual mixtape」。アニメーションを取り入れた、ポップでカラフルなグラフィックでした。
UIは一切変えず、限定された空間だけを大胆に変える。トレンドと深く繋がる音楽のジャンルならではの「限定」だと思います。
今年はどんなデザインになるか楽しみです。
Google
https://doodles.google/
日常で頻繁に目にする「限定」です。
Googleのホームは、ロゴ+検索窓が基本になっていますが、ロゴの周りはその時々の出来事や人物、記念日などをモチーフに、遊び心あるアニメーションや装飾で、日々私たちの目や心を楽しませてくれています。
ルールを作りつつ、「この場所だけは遊んでいい」と最初から遊ぶ場所を決めている。
整然としたデザインとユーモアが共存する、秀逸な画面づくりだと思います。
他にもコラボレーションなど紹介したいものはまだまだあるのですが、「限定」の世界は、思想とクリエイティブのバランスにこだわったものほど、その価値を引き上げているように思えました。
「限定とは、新しいデザインを作ることではなく、まだ見せていない一面を見せること」
「"何を守り、何で遊ぶか" がしっかり考えられていること」
自分の仕事でもこの観点を大切に、LPなどの特別なページを作成したいと思いました。