ピークエンドの法則
表題にあるピークエンドの法則ですが、何かというと人が何かの体験を評価する際、感情が最も高まったとき(ピーク)と、最後の印象(エンド)で全体の評価を下すという法則です。「終わりよければすべてよし」という言葉を思い出さずにはいられない法則ですね。
CMの最後のカットで、キレイな女優や俳優がニッコリと笑って終わるという構成になっているものがとても多いですが、これは、脳みそがスグに錯覚を起こすことがよく判っていて、商品のイメージと最後にみた映像(体験)を重ねて記憶してしまうということを応用しているからなのだそうです。またCMに限らず、また意図しているかいないかは別として、様々なところで当てはまる認知に関する法則のようです。
例えば、あなたが、記念日を祝いたいお気に入りレストランがあって、そのレストランでデザートが美味しくないということは、まずないかと思います。また7つの料理を食べていたにも関わらず、全体の印象は一番おいしかった一品と最後に食した一品、つまりデザートということはよくあるのではないでしょうか。
人の認知の仕組みがそんな感じなのであれば、UXのデザインでも、ピークエンドの法則を意識してみましょうというのはごく自然な流れかと思います。ここで自戒の念も込めていうと、コアなパーツでは力を入れてデザインしているのに、コンバージョンの後に表示されるサンクスページなどエンドポイントになりやすいページのデザインが雑であまり何も考えられていないということは意外によくある話なのではないかと思います。
また、「ピーク」という観点では、ひとつ注意しておきたいポイントがあります。何かというとポジティブなピークよりもネガティブなピークの方が、より強く印象に残ってしまうという点です。例えば、レストランで飲み物が、いつまでたっても出てこなくてイライラさせられた場合、メインディッシュが美味しくてもまた行きたいとはならず、イライラさせられたことの方が強く印象に残ってしまいやすいということになります。
Webでも運営者が良かれと思ってデザインしたものであっても、実際にはユーザを惑わせてしまっていたということはよくあることのように思います。ですので、まずは、ネガティブな体験は強く印象に残り易いということを忘れず、謙虚にユーザの行動を観察するスタンスは忘れずにいこうと思います。