カスタマーサクセス立ち上げの体験談

弊社が運営している課金通話プラットフォーム「Port」のマーケティング施策の1つである、カスタマーサクセス立ち上げの体験談を紹介させていただきます。

これまでのPortの課題

課金通話プラットフォームPortアイコン

Portは、音声通話・ビデオ通話を使ったサービスを販売・購入ができるプラットフォームです。

コロナ渦の2021年にリリースをして以降、どこからたどり着いたか分からないユーザが現れ始め、LPだけ用意して全く何もマーケティング活動を行っていないにもかかわらず、少しずつ売上が上がっていました。

弊社では、ビジネスモデル自体が広告になるといった思想を持っており、それが当てはまったモデルであると捉えています。

しかし、その裏で、売上を作ったユーザが継続利用してくれないという課題が浮き彫りになりました。

そして、なぜ継続に繋がらないのかもよく分かっていませんでした。

つまり、当時のPortは、ユーザが入っては抜けていく「穴の空いたバケツ」のような状態で、しかも、どこに穴が空いているのかも私達自身よく分かっていませんでした。

ユーザとの接点作りの始動

まずは、その空いた穴の箇所を特定して、1つずつふさいでいこうと考えました。

そのために、こちらから能動的に意見を聞くことのなかったユーザとの接点を作り、彼らの声に耳を傾けることにしました。

ユーザの生の声を聞くことができれば、具体的なバケツの穴が空いた場所を特定できるのではないかと考えたのです。

行った取り組みはシンプルで、主に以下2点です。

①カスタマーサクセスページを作成

Portカスタマーサクセスページ

Portの公式サイト内にカスタマーサクセスページを作り、実際に対応する私や他のメンバーの写真とコメント、電話・メールそれぞれの問い合わせ口を置きました。

いわゆる有名な大企業ではなく、小さな会社なので、担当者の写真まで載せることで、人間味のある誠実なサポートをしてくれるというイメージを持ってもらい、ユーザにも安心感を持ってもらうことを目指しました。

②能動的なユーザへのアプローチ

PortDMページスクリーンショット

新規登録直後のユーザ・設定で詰まっていそうなユーザをデータから分析して絞り込み、「カスタマーサクセス担当を設置したので、設定に関する質問から売上の上げ方に関する相談まで、何でも連絡してください」という旨のメールを送りました。

しかし、ほとんど返信をもらえず、そもそも読まれているかすら分かりませんでした。

そのため、プッシュ通知やバッジが使えるというアプリの利点に目を向け、Portアプリのメッセージ機能を活用し、到達率や返信率の改善を試みました。

この作戦は成功し、送信数全体の9割は既読になっていることが確認でき、返信率も劇的に向上しました。

コミュニケーションでの気付き

①的外れな改修をしていた

ユーザの声を聞くと、今までに行った改修の内いくつかが、実はあまりユーザの利益にもならなければ、望まれてもいなかったことに気付かされました。

よく考えてみると、ユーザではない私たちが、仮説を立てて改修を重ねていたので当然だと思います。

②開発チームのモチベーションアップ

思いがけずユーザから感謝の言葉や、サービスに対する期待や応援の声を頂けたり、地方特産品のお酒を贈っていただいたことまであります。

以前のようにこちらから能動的にアクションを起こさずにいた時には、考えられなかったことだと思います。

実際の利用者からポジティブな感想やあたたかい激励の言葉をもらえることは、これ以上ないモチベーションの向上に繋がることに気付かされました。

結果

これらの取り組みの結果として、継続利用率が向上し、相談サービスなどを営んでいて、毎月数十万円の売上を立てるユーザも珍しくはなくなりました。

そして、プラットフォーム全体の売上も大きく成長しています。

今後もまだふさぎ切れていないバケツの穴を見つけて、PDCAを回しながらふさぐ作業を地道に続けていこうと考えています。